現在ヨーロッパ各地に熱波が到来し、人々の生活に甚大な影響を及ぼしています。例年おきる熱波の到来ですが、今年はその厳しさからダンテの『神曲 -地獄篇-』に登場する地獄の門番、「ケルベロス」と名付けられました。
BBCによると、イタリアでは13日、気温が48℃に達する危険性があるとされ保健省により命の危険があることをを意味するレッド・アラートが発令され、12日には、作業員の44歳・男性が倒れてなくなっています。また、またローマでは数人の観光客が熱中症で倒れたことがCNNの報道によりわかっています。
また、EUの気象情報機関コペルニクスの衛星Sentinel 3が、スペインの一部地域で地表温度が60℃を越したことを観測しました。熱いと赤くなるはずの図が、あまりの暑さに黒くなっていることが分かります。
#ImageOfTheDay
— 🇪🇺 DG DEFIS #StrongerTogether (@defis_eu) July 12, 2023
A #heatwave is ongoing in Europe ♨️
➡️Many records 🌡️ have been broken in Austria, France, Switzerland, Germany and #Spain
⬇️As measured by #Sentinel3 🇪🇺🛰️, on 11 July the Land Surface Temperature exceeded 60°C in Extremadura 🇪🇸 #OlaDeCalor pic.twitter.com/mMvFmHTnet
これは地表温度であり、実際の気温とは異なるので注意が必要です。しかし地表温度が気温に影響を与えることは明らかで、スペインでは30℃後半から40℃近い気温が記録されています。
2023年7月10日に発表された論文によると、2022年の夏(5月30日~9月4日)の間にヨーロッパ地域で、暑さ影響して亡くなった人の数は61,672人、100万人当たり114人に相当します。これはアメリカの2~3人と比較すると圧倒的に多い数字です。
なぜヨーロッパ地域はこれほどに熱波に弱いのか。気温が違うというのも正しいですが、エアコン普及率の違いも大きな要因の一つといえるでしょう。CNNによるとアメリカでは9割の家庭にエアコンが設置されていますが、ヨーロッパではその割合は20%程度です。さらにイギリスでは5%、ドイツでは3%だといいます。