JAL、大気からCO₂を回収する米国企業Heirloom社に出資 石灰石を活用する技術

・JAL、Heirloom Carbon Technologies社に出資。
・2050年のCO2排出量実質ゼロを目指し、ネガティブエミッション技術を強化。
・大気中のCO2を効率的に回収する技術で地球温暖化対策を推進。

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JAL、大気からCO₂を回収する米国企業Heirloom社に出資 石灰石を活用する技術
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日本航空株式会社(JAL)は、大気からCO2を直接回収するネガティブエミッション技術「Direct Air Capture」を活用する米国のHeirloom Carbon Technologies社(以下、Heirloom社)に出資しました。これにより、JALは2050年のCO2排出量実質ゼロの実現に向けた取り組みを多角化し、加速させます。

Heirloom社は2020年創業の米国企業で、供給制約のない石灰石を使って効率的にCO2除去を実施することに取り組んでいます。同社は2023年に、米国初の商業プラントを稼働しました。2026年には、さらに大規模なプラントでのCO2除去に着手する予定です。

Heirloom社は、石灰石の大気中にあるCO2を吸収して固定化する性質をを利用。再生可能エネルギーで石灰石を加熱してCO2を抽出し、大気中のCO2をスポンジのように吸収させることにより、低コストで大量のCO2を大気中から集めます。

JALは2024年3月に、海水を活用したネガティブエミッション技術を持つ米国ベンチャー企業Captura社へのCVC投資を行いました。続けて、石灰石を活用したネガティブエミッション技術を実用化しているHeirloom社に出資することで、同社が大気中の二酸化炭素を除去することにより創出されるカーボンクレジットの活用など、将来的な脱炭素手法の多角化に対応します。合わせて、世界の脱炭素に重要な役割を担うCO2除去技術の発展に貢献します。

JALの執行役員 総務本部長 野田靖氏は、「Heirloom社とのパートナーシップは世界の脱炭素技術開発における重要な一歩」と述べ、2050年のCO2排出量実質ゼロの実現に向けた取り組みを加速させる意向を示しました。また、Heirloom社のCEO Shashank Samala氏は、JALからの出資を「光栄」と喜び、「戦略的パートナーとして協力することでCO2除去技術を急速に拡大し、地球温暖化との闘いに有意義な進展をもたらすことを楽しみにしています」とコメントしています。

JALのHeirloom社への出資は、地球温暖化対策において重要な一歩です。大気中のCO2を効率的に回収する技術は、世界の脱炭素に向けた取り組みを大きく前進させるでしょう。今後の技術進展と規模の拡大が期待されます。

《編集部》

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