住友商事、韓国のアルコール企業とバイオエタノールの日本市場開拓で協業

住友商事は、韓国の化学品・アルコール製造およびトレーディング会社である韓国アルコールグループ KC&A社と、バイオエタノールの日本市場開拓に向けて基本合意書を締結しました。

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住友商事、韓国のアルコール企業とバイオエタノールの日本市場開拓で協業

住友商事は、韓国の化学品・アルコール製造およびトレーディング会社である韓国アルコールグループ KC&A社と、バイオエタノールの日本市場開拓に向けて基本合意書を締結しました。両社は、プラスチックや燃料などの植物由来原料となるバイオエタノールについて、日本国内での用途拡大および安定供給に共同で取り組みます。

バイオエタノールは、再生可能エネルギーとして、また環境負荷の少ないバイオプラスチックやグリーン燃料の原料として、カーボンニュートラル社会を目指す世界各国から注目されています。市場規模は、2030年に約1,300億米ドルに達する見込みです。

アジア最大のバイオエタノールトレーダーであるKC&Aは、韓国蔚山に40基のタンクを有し、合計約11万KLのタンク能力を持っています。米国産およびブラジル産のバイオエタノールを、アジア各国の自動車燃料業界や飲料・工業市場に供給しています。一方、住友商事は、化学品業界の脱炭素化に向けて取り組んできました。特にバイオエタノールを重要な要素と位置づけ、その用途拡大とサプライチェーンの再構築に注力しています。

KC&Aとの協業により、住友商事はマーケティング機能を担い、石油由来プラスチックの代替としてのバイオマスプラスチックや、SAFなどの低環境負荷型代替エネルギーとしての新規用途開拓を行う予定です。

また、2030年には新たな需要により国内のバイオエタノール需要が2倍以上になることが見込まれ、KC&Aと共同で低CIバイオエタノールの調達先確保や貯蔵用タンクなどインフラへの共同投資も検討しています。

すでに住友商事は食料と競合しない非可食用の原料から製造する第二世代エタノールの商用生産に取り組んでいますが、協業を通じて可食部を用いる第一世代エタノールの普及も同時に進めることで、化学品業界のカーボンニュートラル化に多様な選択肢を提供します。

《編集部》