UCC、グリーン水素を熱源とする大型焙煎機を2025年より稼働予定 カーボンニュートラルなコーヒー製造へ

UCC上島珈琲株式会社は、レギュラーコーヒー製造の主力工場「UCC富士工場」に、水素を熱源とする大型焙煎機を導入することを決定しました。運転開始は、2025年4月を予定しています。

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UCC上島珈琲株式会社は、レギュラーコーヒー製造の主力工場「UCC富士工場」に、水素を熱源とする大型焙煎機を導入することを決定しました。焙煎機の運転開始は、2025年4月を予定しています。

UCCグループは「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」をパーパスに掲げ、コーヒーの新たな可能性を追求し、今までにないコーヒーの価値創造にチャレンジしてきました。2022年4月にUCCサステナビリティ指針を制定し、『2040年までにカーボンニュートラルの実現』に向けた取り組みの一環として、水素を熱源とするコーヒー焙煎の実現に挑戦しています。

コーヒー豆を焙煎する際、熱源として一般的に使用されているのは天然ガスです。UCCでは、燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素を熱源とする焙煎機及び、水素バーナーの開発・実装を進めています。本事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として採択されており、官民一体での取り組みとなります。

UCCが水素を熱源としたコーヒー焙煎技術の開発開始を発表したのは、2022年3月です。同年9月には、「第5回水素閣僚会議」にて、実際に水素を熱源として焙煎したコーヒーを提供しました。

2023年5月には、水素を熱源とするコーヒー焙煎に関する特許を出願し、年内に販路を限定したテスト製造を開始すると発表。同月に開催された「G7広島サミット」では国際メディアセンターにて本技術で焙煎したコーヒーを各国のメディアへ提供し、 センター内に設置された政府広報展示にてパネル紹介も実施しました。

前年に続き、「第6回水素閣僚会議」でも、水素を熱源として焙煎したコーヒーを提供しています。このような実用化に向けた進展を受け、2025年4月の運転開始を目標として、UCC富士工場に水素を熱源とする大型焙煎機を導入することを決定しました。なお、使用する水素は、山梨県よりグリーン水素を調達する予定です。

水素を熱源とする大型焙煎機の主な特長

水素を熱源とする大型焙煎機は、以下のような特長をもっています。

  1. 水素焙煎時の燃料由来の二酸化炭素排出ゼロ(熱源を100%水素にした場合)

  2. ハイブリッドバーナー(都市ガスやLPGと水素を混合して使用可能)で多様な水素化ニーズに対応

  3. 独自の味覚特徴(従来熱源による焙煎との味覚差について研究中)

  4. 製造能力:約6,000t/年間(予定)

  5. 総事業費:約10億円

《編集部》