DNPと長瀬産業、製品の脱炭素化へ向けたコンサルサービス提供へ

大日本印刷株式会社と長瀬産業株式会社は、化粧品等の製品のライフサイクル全体におけるカーボンフットプリントのコンサルティングサービスを開始します。両社は2023年7月4日から、製品のCO₂排出量の算定と削減を支援するサービスとして、医薬・化粧品業界などに提供します。

企業動向 ビジネス
DNPと長瀬産業、製品の脱炭素化へ向けたコンサルサービス提供へ

大日本印刷株式会社と長瀬産業株式会社は、化粧品等の製品のライフサイクル全体におけるカーボンフットプリントのコンサルティングサービスを開始します。両社は2023年7月4日から、製品のCO₂排出量の算定と削減を支援するサービスとして、医薬・化粧品業界などに提供します。

サービス開始の背景

近年、サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指す企業の取り組みが加速しています。経済産業省と環境省は2023年5月に、カーボンフットプリントの算定・表示等に関する実践的なガイドを公表し、企業にCO₂排出量の可視化の仕組みづくりや情報開示を求めています。しかし、カーボンフットプリント算定に向けたデータ収集やロジック設計には専門のノウハウが必要であり、また、集計・算定の負荷が高いため、現状は、排出の実績値を測定・収集するのではなく、業界平均等のデータから推定する方法が主流となっています。こうした方法では正確な実態を把握しにくく、CO₂排出量削減の施策を講じても、効果を算定結果に反映できないといった課題がありました。

こうした課題の解決に向け、パッケージ製造に関するCO₂排出量の算定に長年取り組んできたDNPと、化学業界を中心にカーボンニュートラルを支援してきた長瀬産業は今回、両社の強みを掛け合わせ、ライフサイクル全体のカーボンフットプリントを算定するコンサルティングサービスを提供します。

サービスの特徴

① 企業の自立的な算定を支援

製品のカーボンフットプリントを算定するために必要な、データの収集方法や算定ロジックの確立など、内容物からパッケージまで企業が自立して算定できるよう支援します。

② 企業のCO₂削減の取り組みなども反映させた精度の高い製品カーボンフットプリントの算定

両社が保有する「CO₂排出係数」を用いた算出方法によって、内容物からパッケージまで含めた製品全体の、より正確なカーボンフットプリントの算定を実現します。企業のCO₂削減の取り組みによる削減量を算定結果に反映するとともに、削減効果の高い取り組みの把握なども可能になります。

両社は本コンサルティングサービスを通して、企業とともに、製品のライフサイクル全体でのカーボンニュートラル実現に向けたさまざまな改善に取り組んでいきます。

《The Green Economy編集部》