カナダのCO2排出量が観測史上最悪のレベルに達したと、EUのCopernicus Atmosphere Monitoring Service (CAMS) が報じました。
CAMSによると、カナダ全土で猛威を振るう山火事により大量のCO2が排出され、2023年前半が終わるというタイミングで観測史上最悪のCO2排出量を記録しています。
カナダでは5月初旬以来数百件の森林火災が発生しています。6月27日時点だと492件の火災が発生しておりそのうち257件が制御不能の状態です。この影響により、6月上旬にはアメリカでも最悪レベルの大気汚染が観測されておりメジャーリーグなどの各種イベントがキャンセルされるなどの事態も起こっています。カナダの森林火災センター(Canadian Interagency Forest Fire Centre)によると、今年の山火事は史上最悪で、カナダ東部と西部で約7万6000平方キロメートルが炎上、これは2016年、2019年、2020年、2022年の焼失面積の合計範囲よりも大きくなります。
森林火災によりCO2の排出が加速され、カナダのCO2排出量は6月時点で1億6,000万トンになったと推定されています。これは2014年の2014年の1億4000万トンを大きく上回っています。
CAMSのシニアサイエンティストMark Parrington氏は「5月上旬以来カナダ全土で発生した山火事を観測し過去20年と比較したところ、異常性が浮き彫りになりました。」とコメントしています。