カナダ山火事、アメリカ人1億人以上が影響化に 気候変動との関係は

カナダの山火事によるアメリカの大気汚染は、近年で最悪のレベルに達していると英ガーディアン紙が報じました。

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カナダ山火事、アメリカ人1億人以上が影響化に 気候変動との関係は

カナダの山火事とそれによるアメリカの大気汚染が大きな問題となっています。

ガーディアン紙は8日、カナダの山火事によるアメリカの大気汚染は、近年で最悪のレベルに達していると報じました。同紙によると、米国の大気汚染レベルは2006年以降最悪のレベルに達しており、国の大気汚染基準の5倍以上の汚染レベルと報告しています。

アメリカでは大気汚染が大きな問題に

米ホワイトハウスが8日に発表した声明によると、1億人以上のアメリカ人が大気汚染指数警報下におかれ、カナダでは425件以上の山火事が発生、約1000万エーカーが消失しており、これは20年間の平均の17倍に相当するとのことです。

ニューヨーク州では11日、州西部で大気質健康勧告が発令ニューヨーク市でもニューヨーク市環境保全局(NYSDEC)により大気質健康勧告が発令され、N95マスクの配布が行われました。これにより、メジャーリーグの7日の試合が延期に。前日6日の試合に出場した選手は「体調に支障をきたす感じはなかったが、ボールが見えずらく、火事のような匂いがする」とコメントをしています。

またワシントン・ポストが報じたところによると、ワシントンDCのミューリエル・バウザー市長は8日の記者会見で「これほど悲惨な経験をしたことがない」と語り、「可能な限り屋内にとどまり、外出の際はN95またはKN95マスクを着用すること」を呼びかけました。

さらに、ワシントンDCのエネルギー・環境省は8日、呼吸器系疾患を持つ人だけでなく、一般市民全体にとって健康に害を及ぼす可能性のある状態を示す「コード・パープル」を発令しています。

カナダにおける山火事と気候変動の関連

英ガーディアン紙によると、カナダ全土で少なくとも414件発生している火災のうち半数以上が制御不能な状況に陥っており、今後も乾燥した時期が続くことが懸念されています。

ロイター通信によると、アメリカは9日時点で数百人の消防士をカナダに派遣。南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドからも支援が届いており、スペインも280人以上の消防士を派遣しています。

カナダのトルドー首相は、近年の山火事の増加は気候変動の影響によるものであるとTwitterに投稿。アメリカの民主党チャック・シューマー上院議員も煙による影響下にある人に対して安全確保の重要性を訴えたうえで、カナダにおける山火事と気候変動の関連性を強調する声明を発表しています。

《The Green Economy編集部》